「小規模多機能型居宅介護」事業所は「通い」サービスを中心として「訪問」「泊まり」サービスを柔軟に利用して自宅での生活をご支援させて頂くサービスです。この「通い」サービスを中心としてというのは国の文言でもあり、一般的な小規模多機能は「通い」を中心として「泊まり」を多く入れて「訪問」は少ないこのような形が多いとお伺いします。

これまでの五年間、小規模ホームもくれんでは従来の基本である「通い」サービスを中心とするのではなく「訪問」サービスを中心とした本当の意味で自宅で過ごすことが出来るための生活支援に力を入れて参りました。

先日、平成28年4月の全体の支援内容と令和元年6月の全体の支援内容とを比較してみると面白いデータが集計出来ました。

平成28年4月に比べて令和元年6月はご利用者数は1%増、「通い」サービスが31%減、「泊まり」サービスが46%減、そしてなんと「訪問」サービスが57%増、という結果が出ました。

つまり私たちが目指してきた自宅での生活を中心とした「訪問」中心の支援が数字として目に見えて結果に出てきていることが、この度見えて参りました。

しかし「訪問」サービスは、基本ご利用者1人対職員1人以上の対応となるため、法人としては最もコストがかかる訳で「通い」サービスで日中を集団管理して「泊まり」サービスで効率的に収益を挙げる方が経営的なシステムとしては良いかもしれません。

ですが、そのサービスは「何のためのサービスなのか」
そのサービスは「誰のためのサービスなのか」
住み慣れた自宅で生活していくためには、住み慣れた自宅で過ごす時間を担保していく。
これは必須なはずですが、とかく「自宅から離れてサービスを受ける」という方法をどうしても選択しがちです。

もちろん介護負担の軽減や社会交流の機会は重要です。

自立支援に向けた機能訓練、生活支援、入浴による保清、食支援、余暇活動など・・・。

必要に応じ柔軟に提供する必要もありますし、私たちもそのように対応させて頂いております。

ですが、そこには「本人の意思決定」がきちんと成されているのか。
そのサービスは本当に「自立支援」に繋がっているのか。

私たちはここに拘って支援をさせて頂いております。

先日の運営推進会議で包括支援センターさんからも「小規模多機能の利用の仕方を皆さんまだまだご存じない」この予防的段階から訪問を中心とした一体的なサービスを提供していくことの重要性を一緒に感じて頂けて何よりココロ強いです。

私たちはこれからも出来うる限り「主語がご利用者さんであること」を大切に、地域の一つの資源として地域の皆さんのお役に立てるよう職員一同頑張って参りたいと思います。

1